あんのん………鹿児島をPRしたいという気持ちにあふれた女の子。ひとりではなにかと寂しいので、とある牧場で知り合った『うしみ』と写真部を結成。鹿児島のPRに乗り出す。生粋の肉好きであり、うしみを誘ったのは非常食ではないかと周囲には囁かれているが、本人はそれとなく否定している。見た目のわりにクールビューティな喋り方をする。 イラストレーター 公〜hamu〜
うしみ…………あやうく食用牛にされるところを、あんのんと出会い、鹿児島のPRに付き合うことに。助けてもらったあんのんに感謝しているものの、時折食べられそうになるのではないかという恐怖感と闘っている。しかし「人生は闘いである」というモットーを持っているので、今日もたくましく生きている。ふんわりとした喋り方でやや天然。しかし自身の身に危険が及ぶことには非常に敏感なセンサーの持ち主。
イラストレーター コッシー
「さ、ついたわよ。うしみ」
「あんのんちゃん、ここはなんのお店なの?」
「カフェ『クー』っていって、日替わりランチがおいしいカフェよ」
「へー!そうなんだ!」
「おいしい肉を使ったキーマカレーがあるみたい。ぜったい食べなきゃ」
「わたしはこの間まで雑草ばかり食べてたからなんでもおいしい」
「もっとたくさん食べていいお肉になるのよ、うしみ」
「え、え?」
「隠れ家な感じいいわね、ここ」
「オシャレな店内だねー!」
「シンプルにまとまっていい感じ。気に入ったわ。ところで早くお肉を」
「あんのんちゃん、まずは雰囲気を楽しもうよ」
「もしお肉がなかったら、とりあえずうしみ、あなた厨房に行ってきなさい」
「え、え?厨房行って、お手伝いするってことだよね?」
「ある意味そうね」
「わぁ~!おいしそうなカレー!ちゃんと材料あってよかったね、あんのんちゃん」
「そうね。なかなかおいしそう。上品なスパイスの香りもしてくるわ」
「サラダもついてて、体にも良さそう!あたしが牧場にいたころはこんなにみずみずしい野菜、なかったよー」
「最初会った時、あなたハエごと干し草食べていたわよね」
「それはいわないでー!イメージ悪くなるから~!」
「これまたおいしそうなワッフルがきたわ」
「アイスも乗ってるし、最高だね、あんのんちゃん!」
「そうね。きっといい牛乳をつかっているのでしょう。見た目からふんわり感が伝わってくるわ」
「そうだよ!牛さんたちも、なにもお肉だけが取り柄じゃないんだよ!いい牛乳だけを出して、生涯をまっとうする牛さんだっているんだよ~」
「いい牛乳を出す牛は、お肉もおいしいのよ。そこは理解できるわよね、うしみ」
「と、とにかく今は食べようよ!」
「いっぱい食べたわね。お腹いっぱい」
「食後の紅茶もおいしいね。ほんのり落ち着くって感じ」
「ついこの間まではオタマジャクシが泳いでいた水飲んでたのに、ずいぶん出世したわよね」
「オタマジャクシ~?な、なんことかな~。音符かな?」
「ドナドナ~♫」
「不吉な歌を歌わないで~!」
「いいお店だったわ。またいきたいわね」
「落ち着いた雰囲気で、ゆっくりできるお店だったね!ご飯もおいしいし」
「なによりオシャレよね。そしてそれを押し付けてこないところもオシャレ」
「オシャレって、無理をしないことを言うんだね!勉強になったよ!」
「そうそう。うしみもこれからもっと、人間界のことを学んでいかなきゃね」
「うん!勉強する」
「そして、いいお肉になるのよ」
「うん!って、えー!?」
こうして、「あんのん」と「うしみ」の鹿児島PRの道のりがスタートした。
果たして、彼女たちが鹿児島を支配するときはやってくるのだろうか!
つづく!
お店の場所はこちらから!
ライター 綾鷹茂吉
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