水曜日のラントカルテ

あらすじ

不運にも突然の交通事故に遭ってしまった主人公の野上秋人。
幸いにも命に別状はなかったが、彼のスマホにはなぜか入学式にトラウマを植え付けられた、学年一の美少女『米森旬香(よねもりしゅんか)』の画像があった。
身に覚えのない画像に戸惑う野上は、自分の記憶が一部なくなってしまっていることに気付く。
失われた記憶を探しているうち、驚愕の真実が明らかになるのであった。

小説

水曜日のラントカルテ 第5話

 その女の子は、僕がクラスで気になっている子だった。  明るくて、お話好きで、元気よく僕を外に連れ出してくれる、ショートカットの可愛い子だった。僕とその子は、毎日それとなくなんでもないきっかけを見つけて話したり、ちょっとした手紙のやりとり...
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水曜日のラントカルテ 第4話

 どちらかといえば、よくわがままを聞いてもらえた家庭だったと思う。  兄弟がいる家庭では、よく喧嘩したり、言い合いしたり、泣いたり、笑い合ったりしていた。 でも僕は一人っ子だったし、なんでも自分のものだった。ゲームも、部屋も、机も、おも...
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水曜日のラントカルテ 第3話

「それはつまり、愛の告白なんじゃないのか」  今村は忙しくスマホの操作をしながらそう言った。  2時限目の比較的長い休み時間。  教室内には二つの授業を終え、ややリラックスした雰囲気に包まれていた。  ひとりの世界に走る者もいれ...
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水曜日のラントカルテ 第2話

  「それはあれだな。間違いなく記憶喪失だな」  今村ははっきりと僕にそう言った。 「やっぱりそう思う?」 「その証拠に、俺から5万借りているのも覚えてないだろ?」 「たしかにそれは覚えがない」 「俺のスマホ写真部に入ることでチ...
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水曜日のラントカルテ 第1話

 それはあっという間の出来事だった。  一台の白塗りのセダンが目の前に迫ってきたかと思うと、ほとんど暴力的と言っていいくらいに、僕の視界は夕日の空に押しやられた。  見慣れた道の、見慣れた空であった。  強い衝撃により、僕の体が宙に舞...
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